よしのしゅーじの「よ」

オレは、生まれてから35年間、

よしのしゅーじの名前で生きています。

 

そんなオレには

ちょっとした憧れがあります。

それは、あ行の人。

特に、出席番号1番の人。

 

出席番号が早い人が、

うらやましくて仕方ないのです。

 

小学校から高校までの12年間、

9年も男子の中で最後でした。

Last of Last Nameだったのです。

 

ワタナベやワダがいたっていいのに、

ほとんどいませんでした。

ましてやヨシムラやヨシモトが

クラスメイトにいないという有様でした。

 

ちなみに誕生日で出席番号を

決めるところもあるみたいです。

だったら4月生まれのオレ、

1番になれたかもしれないじゃん！

地域にもついてなかった。

 

ちなみに最後でなかったのは、

小学3、4年生の時、

後ろにワタナベトモヒサがいて、

中学1年の時は、

またワタナベトモヒサと

ワダノブヒロと2人も「わ」がいたので、

なんと後ろから3番目という位置！

これがオレの最高記録です。

 

ワタナベトモヒサには、

感謝しなくてはなりません。

この夏、お中元でもあげようかしら。

 

でも、オレのように感じている人は、

あまりに少なく、生まれ持った運命を

みんなは素直に受け止めるのです。

あ～、別に関係ないでしょ。と。

 

オレは、声を大にして言いたい！

いつも以上に声を大にして！

おそらく後ろの人ほど、

寿命が短いはずです！

調査したことは、もちろんないけど。

 

考えてみてください。

注射とか実技試験とか名前の順でやるから、

ずっと緊張しているし。

しかも終わった途端に、

後ろの人たちを茶化してくるし、

苛立ちだって覚えます。

 

ましてや自己紹介なんか、

どんどんとあれやこれや言うものだから、

あ～それ言おうとしたのに～！と

練り直さなければならないのです。

オレたち後ろの人間のことなんて、

考えやせず好き勝手に話しやがって。

そんな気苦労だってしているのです。

だからいつもまとまりの無い

自己紹介になってしまいます。

 

もっとひどい状況は、

ひねくれた先生に当たった時。

「たまには、後ろの奴から

自己紹介やってみるか！」

なんて気まぐれなことを言い出して。

「ああっ、たまにはじゃねぇよ！」と

驚きと怒りがこみ上げる始末。

 

ほらね、いろいろ心臓に悪いでしょ！

オレたちは、ガキんちょの頃から、

命を削りながら生きているのです。

 

そして、Last of Last Nameだった

きっとオレだけの悲しいエピソード。

 

中学の卒業式の時、

6クラスあって、オレは6組。

1～5組の男子数とは違って、

6組は1人多かったのです。

 

はい、もうお分かりでしょうか？

そう、イスがオレの分だけ

足りなかったのです。

 

立っているのも変だから、

空気イスをしながら、

助けを呼んだあの惨めさ。

 

しかも日頃の行いが祟り、

先生なんかは、あいつ何してんだ？と、

最初はキョトンとしていたし。

 

苦楽のあった3年間の最後が、こんなオチ。

もう感動なんて、ありませんでした。

 

 

オレの妹は、「あ」の人と結婚するという

見事なシンデレラストーリーを築きました。

なんてうらやましい。

 

オレも

アイカワさんとかアイザワさんの

お宅に婿入りしたい！